(質問要旨)

5 アリーナ機能を備えた共同体育館の整備について

府立大学体育館は耐震強度不足や老朽化により使用を停止しているため、総合計画の「北山『文化と憩い』の交流構想」にあるように、建替の検討が急がれる。都道府県別幸福度ランキングの調査項目のうち、体育スポーツ施設数指標では、本府は41位という順位であり、全国に誇れる大型体育館の新設が急務である中、アリーナ機能を備えた共同体育館の整備に関し、次の諸点について、知事の所見を伺いたい。

(1)アリーナ機能を備えた共同体育館の整備に当たっては、我が国を代表する屋内スポーツの聖地として、また、興行的なアリーナとして、他府県が進めているアリーナ整備と同等の2万人を収容できる規模で検討すべきと考えるが、整備案、とりわけ規模感についてどのように考えているのか。

(2)体育館は大学の施設だが、学生が実社会に携われる教育の機会を創出するためにも商業施設や公共施設の併設を検討し、例えば、防災活動、ボランティアや学習の場として、府庁に代わるサブ危機管理センター機能を設けることや、国際赤十字の「スフィア基準」を満たす避難所、感染症対策の救護施設等として複合災害も視野に入れた多機能化を図り、国土強靭化に資する人材育成の場とするなど、多目的・多機能化すべきと考えるがどうか。

(3)運営並びに資金調達について、国も官民連携手法を勧めており、構想から計画、設計、建設、運営まで、官民が対等な関係で共同体を形成し、ベストミックスを追求することが重要としている。北山エリアは交通アクセスに恵まれ、本府が京都市内で管理する中では数少ない、広大な敷地であり、この特徴を最大限活かすとともに、先に提案した多目的・多機能化によって府民に様々な便益を届けられるような運営並びに資金調達を行うべきと考えるがどうか。

(答弁)文化スポーツ部

次に、北山エリアにおけるアリーナ機能を備えた大学共同体育館の整備についてでございます。
北山エリアの整備につきましては、昨年12月、「北山エリア整備基本計画」を策定し、北山エリアの将来像とエリアコンセプト、整備の方向性等を定め、北山エリアを豊かな自然の中で創造される文化・芸術・学術・スポーツに身近に出会い、交流できるまちにしていきたいと考えております。
その中の主要な施設の一つ、共同体育館につきましては、府立大学及び府立医科大学の学生が安心・安全に授業や課外活動を行えることを基本に、京都工芸繊維大学を含めた3大学が共同で使用することができ、学生スポーツの公式試合や国際試合などの開催も可能なアリーナ機能を備えた学生スポーツの拠点として整備したいと考えており、併せて文化イベントなどでの活用も想定しているところでございます。
そのため、整備内容といたしましては、3面のバスケットコートを確保するメインアリーナに加え、2面のバスケットコートを確保するサブアリーナや、柔道や剣道を行う武道場、医務室、多目的室、トレーニング室、スポーツ・体力測定室などの整備を考えているところであります。
収容人数につきましては、活用が想定される学生スポーツの公式試合や国際大会、文化イベントなどの開催に適したものとし、さらに大学の敷地の状況などを踏まえて設定したいと考えております。今後、大学とも意見交換するとともに、近隣府県の類似施設の整備計画の状況等も考慮し、決定してまいりたいと考えております。
次に、アリーナの多目的化・多機能化についてでございます。
府立大学においては、北山エリアに位置する大学として、地域に開かれたキャンパスを目指しており、この共同体育館につきましても、授業や課外活動だけでなく、大学キャンパスの中にあるアリーナ施設として、教育・研究や人材育成のほか地域活性化の拠点施設としても活用を検討してまいります。
また、再生可能エネルギーや分散型電源などの導入により防災性にも優れたエネルギーシステムを構築し、議員ご紹介のスフィア基準なども参考にしながら、大規模災害発生時の周辺住民の避難場所や、災害復旧の拠点としても活用するなど、地域住民の安心・安全の確保に繋がるような公共性のある施設としてまいりたいと考えております。
なお、商業施設につきましては、書店、コンビニ、レストランなど、民間の創意工夫を活かした施設を大学キャンパス内に設けることを検討するとともに、北山エリア全体でも、旧総合資料館跡地を中心に賑わい・交流機能を設けていきたいと考えております。
次に、官民連携手法における運営・資金調達についてでございます。
共同体育館を含め、北山エリア内の各施設の整備・運営にあたりましては、従来の公共工事の手法だけではなく、官民連携手法の活用も想定し、行政単独ではなく、様々な主体のアイデアやノウハウ、人材、技術等を活用しながら、各施設の態様に合わせて、資金調達方法も含め最適な手法を選択することが北山エリアの特徴を最大限に活かした整備・運営に繋がると考えております。
現在、大学関係者をはじめ、スポーツ、文化イベント、地域の商店街等の関係者が参画する連携協議会を組織し、共同体育館の整備・運営手法や活用方法などについて意見交換を行っているところであり、府民負担を極力抑えながら、多目的・多機能な施設整備を行うことにより、この共同体育館が、学生の皆さんはもとより、地域をはじめ多くの府民に親しまれる施設となるように取り組んでまいりたいと考えております。