(質問要旨)

3 本府における修学旅行に関する取組について

中高生時代に本府を訪れた思い出は長く持ち続けていることが多く、修学旅行をきっかけに府内の大学への進学や就職するケースもあると聞くなど、修学旅行が他府県民との交流のきっかけとなると考えるが、本府における修学旅行に関する取組に関し、次の諸点について、知事の所見を伺いたい。

 

(1)令和5年度当初予算案で、京の修学旅行・教育旅行府内誘致促進事業費を計上しているが、今後どのように進めていくのか。また、修学旅行生の多くは京都市に来訪することから、京都市との連携が不可欠と考えるがどうか。

 

(2)現在見直しを進めていると聞く京都府観光総合戦略において、修学旅行誘致はどのように位置付けられるのか

(答弁)商工労働観光部

「京の修学旅行・教育旅行府内誘致促進事業」についてでございます。京都への修学旅行や海外からの訪日教育旅行は、日本の歴史や文化などに直接触れて、見聞を深めるなど、学校教育における意義が高いことに加えまして、京都との関係をつくる最初の機会として極めて重要な役割があるものと考えております。

そこで京都府では、コロナ禍であっても京都での修学旅行を通じた教育を継続できるよう、京都市との連携により24時間専用相談窓口を設置いたしますとともに、バスの増車など修学旅行中の密を避ける取組を支援し、安全に修学旅行を実施していただけるよう努めてまいりました。

今年度の春以降は、社会経済活動の回復に伴い、コロナ前とほぼ同水準の修学旅行生が京都に戻っていただいております。

一方で、近年、修学旅行の目的が従来からの京都市内での歴史や文化の学習に加え、先端技術、環境、農業体験など多様化しており、例えば京都市内の寺社・仏閣の見学とけいはんなの研究施設の見学を組み合わせるなど、より学習効果の高い修学旅行を提案することが求められております。

加えて、海外からの訪日教育旅行につきましても、かねてより高い関心をいただいておりますが、同世代の生徒同士の交流によって、帰国後も「関係」が続く貴重な機会であることから、海外での誘致活動などの取組を強化する必要があると考えております。

そこで、今定例会に「京の修学旅行・教育旅行府内誘致促進事業」の予算案を提案し、京都府観光連盟に専門人材を配置することにより、京都市との連携によるモデルプランの作成やプロモーション、訪日教育旅行と府内の学校との交流のマッチングなどを実施し、修学旅行、訪日教育旅行の誘致に繋げてまいりたいと考えております。

修学旅行や訪日教育旅行は、早い段階から行き先の決定などの準備が行われ、自治体間の競争も激しいことから、議決後速やかに誘致に着手してまいりたいと考えております。

次に、修学旅行、訪日教育旅行誘致の観光総合戦略への位置づけについてでございます。

改定した総合計画では「交流機会を創出する観光」を基本施策の1つに掲げており、京都府観光総合戦略も「交流」を強化することを目的の一つとして抜本的見直しを進めているところでございます。

修学旅行は、旅行中の体験を通じて京都の方と学生が交流することにより、京都への進学や就職のきっかけになりますとともに、訪日教育旅行は、異文化交流が深まるなど関係を創出する入口となるものであり、いずれも大変重要なものと考えております。

観光戦略会議等での議論を更に深め、修学旅行や訪日教育旅行の多様化に対応出来るよう、府内の資源の見直しを進め、より多様な人々と交流していただくことで満足度を高められるような施策を検討してまいりたいと考えております。

また、2025年大阪・関西万博に向けては、修学旅行の行き先として関西が更に注目されるものと推察され、万博との相乗効果で、より多くの学校に来ていただくよう努めることなども戦略に盛り込んでまいりたいと考えております。

今定例会に戦略の中間案を報告し、府議会の御意見を賜りますとともに、パブリックコメントを実施した上で、最終案を6月議会でご報告をしたいと考えております。