(質問要旨)

2 府庁旧本館ルネサンス事業について

府庁旧本館は、平成 19 年に策定された重要文化財京都府庁旧本館保存活用計画書に基づき利活用されていると聞くが、建物の多くは執務室や事務室として使 用されており、高い文化財の価値が生かされていないため、文化庁の移転を機に 利活用方策を見直し、観光資源や京都文化の発信拠点として利活用する方向に転 換すべきと考えるが、知事の所見を伺いたい。

(答弁)総務部

旧本館ルネサンス事業についてでございます。

旧本館は、明治37年の竣工以来、行政庁舎として使用され、現役の都道府県庁舎としては日本最古でありますとともに、平成16年には重要文化財に指定されるなど、文化財としても極めて高い価値を有する、京都府庁のシンボルともいえる庁舎でございます。

しかし、竣工から約120年が経過し老朽化の進行が著しい状況にあることや、来年度には文化庁移転を控えていることなどから、今定例会に「旧本館ルネサンス事業」の予算案を提案しているところでございます。

府議会の御議決をいただければ、まずは式典等での利活用を見越した正庁周辺の重点的な美装化を行いますとともに、将来の大規模改修の実施に向けて検討を行うなど、旧本館が文化首都の象徴に相応しい施設となるよう整備を進め、改めて利活用を図ってまいりたいと考えております。

具体的には、平成19年に策定いたしました「旧本館保存活用計画書」に掲げている3つの利活用の基本コンセプトのうち、委員御指摘の「観光資源としての活用と京都文化の発信」は、文化首都をめざす京都ならではの重要な利活用方策と考えております。

旧本館は、これまでから旧知事室や旧議場の公開、正庁や旧議場の府民利用開放等を行うなど、多くの皆様が貴重な文化財としての価値を享受できるよう、利活用を進めてきたところでございます。

特に、公開イベント事業である春の観桜祭、秋の観芸祭では、コロナ禍前の平成30年度の実績ですけれども、それぞれ16日間の開催で、観桜祭、観芸祭合わせて
約25,000人もの方々にお越しをいただきました。

また、府庁周辺の施設が連携して、歴史的建造物や庭園の特別公開、美術工芸品の展示、文化体験などを実施する「府庁界隈まちかどミュージアム」に旧本館も参加し、周辺地域と一体となって京都文化の発信にも努めてきたところでございます。

現在、コロナ禍により、大規模な集客事業の実施は難しい状況にございますが、感染拡大が落ち着きましたら、文化庁の意見も伺いながら、例えば旧本館での文化的な式典やイベントの実施も検討するなど、更なる観光資源としての活用や京都文化の発信に取り組んでまいりたいと考えております。

今後とも重要文化財である旧本館の価値が十分に発揮できるよう、一層の利活用に努めて参りたいと考えております。